「首(頸)・腰」の後遺障害。「首(頸)の後遺障害」、「腰の後遺障害」、「首(頸)・腰 の検査方法」、「首(頸)・腰の後遺障害等級と慰謝料の目安」などについて解説します。
首(頸)の後遺障害
頸椎捻挫
頸椎捻挫は、「むちうち」と呼ばれることもあります。
首(頸)の痛み、しびれ、めまい、ふらつき感など、神経系統の機能または精神の障害が出る可能性があります。また、「首まわりの不快感」、「手や腕など首以外の部分の痛み」、「頭痛」、「吐き気」、「耳鳴り」、「目のかすみ」、「首や肩、足指の麻痺」、「不眠などの睡眠障害」などの症状が出ることがあります。
腰の後遺障害
腰椎捻挫
腰椎捻挫は、強い腰痛があります。また、「腰が伸ばせない(前かがみになってしまい動けない)」、「同じ姿勢を続けていると腰が痛くなる」、「背中から腰まわりが熱っぽい」などの症状が出ることがあります。
頸椎捻挫や腰椎捻挫の多くは、事故直後に激しい腰痛がありますが、頸椎捻挫と同様に、事故の数日後に痛みが出ることもあります。
そのため、交通事故にあったら、症状の有無に関わらず、病院で検査をすることをおすすめします。特に神経系の後遺障害が疑われるケガは、事故直後に症状が出ないこともありますので注意してください。
首(頸)・腰の検査方法
首(頸)・腰の検査方法は、交通事故の状況やケガの症状によって異なりますが、ここでは主な検査方法をご紹介します。
ジャクソンテスト
ジャクソンテストは、まず患者が椅子に座り、頭を少し後ろに倒します。医師はその頭を上から圧迫します。神経に異常がある場合、神経根が圧迫されることで手や肩、腕にしびれや痛みが出ます。
スパーリングテスト
スパーリングテストは、ジャクソンテストとよく似た検査方法で、こちらも頸椎捻挫の診断のために行われます。
検査方法は椅子に座った患者の頭を、医者が圧迫するというものです。スパーリングテストでは、しびれや痛みが出ている方向に首を圧迫して、神経根の出口を狭めます。
圧迫した際に、肩や腕、手などにしびれや痛みが出る場合は、神経異常の可能性があります。
徒手筋力(としゅきんりょく)検査
徒手筋力検査は、神経障害が発生している場所を特定するためのテストです。
力を入れている部分に、人の力で負荷をかけて筋力を図ります。徒手筋力検査は、主に肩や腕に対して行われます。筋力の低下が見られた場合は、神経系の後遺障害が疑われます。
腱(けん)反射
脚気の検査として有名な診断方法です。
脊髄や神経根に異常があるか、また異常がある場合はどの神経が原因かを判定することができます。
腱反射の検査方法は、患者は検査する部位をリラックスさせて伸ばします。医師は検査部位の筋肉の付け根にある腱をゴムのハンマーでたたき、筋肉が反射的に動くかをチェックします。
脊髄に異常がある場合、腱反射が過剰に起こります。一方で神経根に異常がある場合は反射が弱い、または反射しないといった症状が現れます。
筋萎縮検査
筋萎縮検査は、筋肉の萎縮度合いを測る検査です。実際にむちうちになっているのか、その場合に神経障害があるのかを見極めます。
筋萎縮検査では、肘の上下10cm部分の腕周りや、膝上下10cm部分の足回りの太さを計測します。
腕または足の左右で周径に違いがある場合、細くなっている方はあまり使われていないと判断できるため、神経障害を疑うことができます。
その他の検査方法
交通事故後の検査は、骨の異常を調べるためのレントゲンやCTが一般的です。
しかし、骨の異常が見られない場合、神経の状態を確認するため、MRIを実施することがあります。MRIでは強い磁力と電磁波によって、体の断面図を撮影します。
神経の状態を撮影し、異常の有無を確認できるため、とくに頭痛やめまいといった神経異常の自覚症状がある場合はMRIが実施されます。
首(頸)・腰の後遺障害等級と慰謝料の目安
首・腰の慰謝料の目安
- 局部に頑固な神経症状を残す(12級)
- 290万
- 局部に神経症状を残す(14級)
- 110万