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交通事故による外傷性くも膜下出血。後遺障害の認定基準は?

弁護士監修

上田 裕介 弁護士(第二東京弁護士会所属)

交通事故_外傷性くも膜下出血_後遺障害認定

「くも膜下出血」というと、「加齢によって起こる脳卒中のひとつ」というイメージがあるかもしれません。
しかし、交通事故などで頭部に衝撃を受けたことにより、外傷性のくも膜下出血になることもあるのです。

交通事故によって外傷性くも膜下出血になった場合、後遺症が残れば後遺障害認定を受けられる可能性があり、その認定は慰謝料などの金額にも大きく影響します。
では、外傷性くも膜下出血と診断された場合には、どういった点に注意して手続きをすすめればいいのでしょうか?

外傷性くも膜下出血とは

そもそも、「外傷性くも膜下出血」とは一体どのようなものなのでしょうか。

脳を覆う膜の構造

頭蓋骨の内側にある脳は、保護のための膜に覆われています。
この膜は「髄膜」といって、外側から順に「硬膜」「くも膜」「軟膜」の3層構造になっています。

くも膜下出血

くも膜と軟膜の間には「くも膜下腔」という隙間があり、この部分はクモの巣のような繊維状の構造で、内部に血管が通っています。

このくも膜下腔で出血が起こるのが「くも膜下出血」です。

その中でも、交通事故など外部からの衝撃により発生したくも膜下出血を「外傷性くも膜下出血」といいます。

外傷性くも膜下出血とは、頭部に大きな衝撃を受けることで、脳の周りを包む膜の中で血管が破れてしまった状態なのです。

くも膜下出血は脳そのものの内部で出血したわけではありませんが、髄膜への刺激や頭蓋内部の圧力の上昇により、頭痛やめまい、吐き気、意識障害など様々な症状が現れます。

また、脳挫傷やびまん性軸索損傷といった、脳そのものの損傷と合併することがあり、後遺症が残る可能性もあります。

外傷性くも膜下出血による後遺障害の種類と等級

外傷性くも膜下出血_後遺障害認定等級

交通事故による外傷性くも膜下出血によって後遺症が残った場合、どのような症状があるのでしょうか。
また、その後遺症は自動車損害賠償保障法が定める後遺障害等級の何級に該当するのでしょうか。
具体例をいくつか紹介します。

遷延性意識障害

遷延性意識障害とは、いわゆる植物状態の症状を指します。
後遺障害等級では1級1号の「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」に該当します。

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、脳の損傷により高次脳機能に障害が生じた状態のことです。
「高次脳機能」とは、注意力や記憶力、感情をコントロールする能力といった「脳の高度な機能」をいいます。

症状は軽度のものから重度のものまで様々です。
後遺障害等級では、神経系統の機能の障害に該当しますが、症状の重さによって等級が変わります。

第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
第5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第7級4号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第9級10号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

視力障害

外傷性くも膜下出血によって視力障害が生じることがあります。
この場合、後遺障害等級でも視力に関する症状に該当します。

第1級1号 両眼が失明したもの
第2級1号 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
第2級2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
第3級1号 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
第4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
第5級1号 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
第6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
第7級1号 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
第8級1号 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02二以下になったもの
第9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
第9級2号 一眼の視力が0.06以下になったもの
第10級1号 一眼の視力が0.1以下になったもの
第10級2号 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
第13級1号 一眼の視力が0.6以下になったもの
第13級2号 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

麻痺

外傷性くも膜下出血によって麻痺が後遺症として残ることがあります。
この場合、後遺障害等級では神経系統の症状に該当します。

第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
第5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第7級4号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第9級10号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
第14級9号 局部に神経症状を残すもの

逸失利益の計算方法

逸失利益とは、事故による後遺障害がなければ本来稼げていたはずの金額のことです。
交通事故に遭い、後遺障害が残ったことで、将来にわたって収入が減額した分をいいます。

逸失利益の計算方法は定型化されており、被害者の収入や後遺障害等級によって計算することができます。

基礎収入

基礎収入は、事故前の収入金額から算出します。
給与所得者であれば年収から、事業所得者の場合は前年の確定申告に基づいて基礎収入の金額を導き出します。
家事従事者(主婦・主夫)の場合、女性労働者の平均賃金額を基礎とするのが一般的です。

労働能力喪失率

労働能力喪失率とは、後遺障害によって労働能力のうちどれぐらいの割合を喪失したのかをいうものです。
その割合は、後遺障害の等級ごとに自動車損害賠償保障法で定められており、以下のようになっています。

労働能力喪失率表

後遺障害等級 労働能力喪失率 後遺障害等級 労働能力喪失率
第1級 100/100 第8級 45/100
第2級 100/100 第9級 35/100
第3級 100/100 第10級 27/100
第4級 92/100 第11級 20/100
第5級 79/100 第12級 14/100
第6級 67/100 第13級 9/100
第7級 56/100 第14級 5/100

第1級の「100/100」とは、労働能力が100パーセント完全に失われたことを指します。
第14級の「5/100」であれば、労働能力が5パーセント失われ、事故前の95パーセントに減ってしまったという意味です。

ライプニッツ係数による中間利息の控除

逸失利益は、「将来にわたって受け取る予定だった収入分の金額が、前倒しで一度に全額支払われる」というものです。

本来ならば数十年後に受け取るはずのお金まで含めてまとめてもらえるわけですが、まとめて受け取った逸失利益を銀行に預けるなどして運用すれば、そのぶん利息がつき、事故に遭わなかった場合よりも得をすることになってしまいます。
この利息分を差し引き計算することを「中間利息の控除」といいます。

このとき使用されるのが、民法により定められた法定利率に基づく「ライプニッツ係数」です。
ライプニッツ係数は、被害者が本来あと何年働けるはずだったか(労働能力喪失期間)に応じて数値が決まっています。

全てを掛け算したものが逸失利益の金額になる

後遺障害が認定された場合の逸失利益の計算式は、次のようになっています。

逸失利益=基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数

3つの数字をかけ算したものが逸失利益となります。

後遺障害認定までの流れ

交通事故による外傷性くも膜下出血で後遺症が残った場合、後遺障害の認定を受けるにはどうすればよいのでしょうか。
申請までの流れにおいて、注意すべき点をまとめます。

事故発生後の病院受診

もし頭部を強くぶつけたりしていなくても、必ず病院に行って検査を受けるようにします。

外傷性くも膜下出血などの頭部外傷の場合は、事故直後から強い頭痛や意識障害が発生するだけでなく、時間が経ってから何らかの症状が出てくるケースもあります。
事故当時は大丈夫と思っていても、後日症状が発生することもあるのです。

頭部に強い衝撃が加わった可能性がある場合は、後からどのような症状が出てくるかわかりません。
必ず病院の脳神経外科や救急科を受診し、精密検査を受けるようにしましょう。

症状固定

症状固定とは、交通事故によって発症した症状が、治療を続けてもそれ以上よくならないと判断された状態をいいます。

加害者側の立場からすると、治療が早く終了するほど治療費は抑えられ、被害者に支払う損害賠償も安く済みます。
そのため、加害者や加害者側の任意保険会社は、早い段階での症状固定を求めてくることがあります。

しかし、症状固定の時期は医師の判断によるものです。
相手の要求に焦る必要はありませんので、医師による症状固定の判断が下るまでは治療を続けるようにしましょう。

後遺障害診断書の作成

後遺障害等級の認定を受けるためには、主治医による「後遺障害診断書」が非常に重要です。
適切な後遺障害等級の認定が受けられるよう、具体的な症状が不足なく記載されていることを必ず確認しましょう。

後遺障害認定の申請

後遺障害診断書が手に入ったら、後遺障害等級の認定申請をします。

交通事故被害者の後遺障害等級認定には、加害者側の保険会社が申請する「事前認定」と、被害者本人が申請する「被害者請求」があります。

事前認定は、加害者側の保険会社がメインで動くことにより、被害者にとっては手間が省けますが、透明性があるとは言い難いのも事実です。
被害者請求は、申請内容を自分で把握できるというメリットがある一方、被害者自身が必要書類を準備する必要があり、非常に手間がかかります。

外傷性くも膜下出血をはじめとする頭部外傷は、脳そのものにダメージが残る可能性もあり、治療を続けながら様々な手続きを進めるのは大変です。
後遺障害診断書の記載内容が十分かどうかの判断や、被害者請求による後遺障害等級認定の申請など、専門的な知識が必要となるシーンも多くあります。

逸失利益や慰謝料の金額は、適切な後遺障害等級に認定されるかどうかで大きく変わってきます。
ひいては、事故後の人生にも多大な影響があると言えるでしょう。
交通事故に遭った場合は、なるべく早い段階で弁護士への相談を検討してください。

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交通事故被害に関するご相談は基本的に何度でも無料(お電話相談も承ります)。着手金0円。
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このコラムの監修者

  • 上田裕介 弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所オーセンス

    上田 裕介 弁護士(第二東京弁護士会所属)

    交通事故分野を数多く取り扱うほか、相続、不動産、離婚問題など幅広い分野にも積極的に取り組んでいる。
    ご依頼者様の心に寄り添い、お一人おひとりのご要望に応えるべく、日々最良のサービスを追求している。

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