コラム

2020.08.03

交通事故での弁護士特約とは?使うと弁護士費用が無料に?

交通事故の被害に遭ったとき、弁護士に相談した方が良いと聞いたことはありませんか? そのようなときに役立つのが、「弁護士特約」が付いている自動車保険です。 「加入している保険に弁護士特約が付帯しているけど、どんなケースで使用できるのだろう」 「交通事故の問題で特約を使うことで何か有利になるの?」 このような疑問をお持ちの方のために、被害者になったときにとても便利な弁護士特約について分かりやすく解説します。 そのメリット・デメリットや注意点など、万が一のときに備えて知っておきましょう。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、桐蔭法科大学院法務研究科修了。交通事故分野を数多く取り扱うほか、相続、不動産、離婚問題など幅広い分野にも積極的に取り組んでいる。ご依頼者様の心に寄り添い、お一人おひとりのご要望に応えるべく、日々最良のサービスを追求している。
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弁護士特約とは

弁護士特約(弁護士費用特約)とは、自動車保険の中のオプションの1つです。
一定限度額以内であれば、全ての弁護士費用について保険金でまかなうことができます。
実際に裁判にならなくても、相談料の段階からが対象となります。
一般的な限度額は、相談料が10万円まで、弁護士報酬や訴訟費用が最大300万円までの補償となっています。

弁護士特約はあまり知られていない?

弁護士特約の加入率は高く、セゾン自動車火災保険が公表しているデータでは、2019年3月末時点で自動車保険に加入している人の64.5パーセントが弁護士特約を付帯しています。
参照元:弁護士費用特約|おとなの自動車保険

しかし、その加入率の高さに対して、実際の特約使用率は圧倒的に低いのが実情です。
これは自分の保険に弁護士特約が付いていることを知らない人や、特約が付いていることは知りつつも、実際に交通事故に遭ったときに特約を使用するという選択肢を忘れてしまう人が多いためでしょう。
交通事故に遭った際に、素人が弁護士にお願いした方が良いのかどうかを判断するのが難しいことも要因の1つと予想されます。

弁護士特約を付けていないと弁護士に依頼できない?

結論から言うと、弁護士特約が無くても弁護士に依頼することは可能です。
弁護士特約はあくまでも、「弁護士や法律事務所に対する支払いを保険会社が行ってくれる」というものだからです。
また、弁護士特約とは関係なく、初回相談は無料という法律事務所も増えていますので、何か困っていることがあれば1度相談してみることをおすすめします。

弁護士特約の4つのポイント

それでは実際に特約を使う際の4つのポイントをご紹介します。

利用している保険に弁護士特約が付いているかをチェック

まずは、加入している保険に弁護士特約が付いているかを確認しましょう。
特約を付けたことを忘れている人も非常に多いようです。
そもそもどのような補償内容の保険に入っているのかも含め、チェックしてみてください。
加入時の保険証券に記載されていますし、保険会社に直接問い合わせても教えてくれます。

弁護士を選ぶ際は交通事故に精通しているプロを選ぶ

弁護士特約が付帯していたならば、実際に弁護士を探してみましょう。
知り合いの弁護士がいればその人にお願いしても良いですし、今はインターネットでも弁護士を検索できる時代ですので、手軽に弁護士を探すことができます。

ただし、全ての弁護士が交通事故の案件に精通しているわけではありません。
離婚問題や相続問題、借金関係など、法律問題には様々な分野があり、弁護士によって得意分野も異なります。
自分で探す際には、交通事故の問題に強い弁護士および法律事務所を探すようにしましょう。

検索するときのポイントとしては、法律事務所のホームページなどに掲載されている実績が1つの判断基準になります。
もちろん掲載された実績だけを確かな指標にすることはできませんが、交通事故に関する実績を多数掲載している事務所は、それだけ多くの案件を解決していると言えます。

保険会社に弁護士特約を利用することを伝える

依頼する弁護士が決まったら、保険会社に弁護士特約を使いたいと主張してください。
特約を適用するには保険会社の同意が必ず必要となります。
ご自身のケースに特約が適用できるのかどうかを確認するうえでも、忘れずに連絡を取りましょう。

弁護士にも弁護士特約を利用することを伝える

保険会社の同意を得ることができたら、担当弁護士にもその経緯を伝えてください。
ほとんどの法律事務所が弁護士特約に対応しているので、その後のやり取りは全てお任せできるでしょう。

弁護士特約のメリット・デメリット

続いて、弁護士特約を使用することで考えられるメリットおよびデメリットをご紹介します。

3つのメリット

・無料で弁護士に依頼できる

何よりも大きな特長は、特約の限度額を超えない限り無料で弁護士に依頼できることです。
通常、示談交渉や後遺障害等級の認定を弁護士にお願いすると、自分で弁護士費用を支払わなければなりません。
事故の内容によっては、得られる賠償金よりも弁護士費用のほうが高くつく可能性もあります。
この状態のことを「費用倒れ」といいます。
費用倒れは、物損事故や、人身事故でもケガが比較的軽く済んだときに起こりやすいですが、特約を使えば費用を気にする必要が無いのが良いですね。

・得られる慰謝料や賠償金が増える可能性がある

事故の賠償金の計算には、自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の3つがあります。
この中で最も賠償金が高くなるのは裁判基準です。
しかし、自分で示談交渉を行うときは、この裁判基準を使うことができません。

相手方の保険会社はあくまでも営利企業のため、支払う保険金額は少なければ少ないほど利益が上がります。
そのため、相手方の保険会社は自社の基準もしくは最低ラインである自賠責保険の基準で算出された賠償額を提示してくることがほとんどです。
ですが、相手方の保険会社から提示された賠償額が妥当かどうか自身で判断するのは極めて困難です。

弁護士に依頼すれば、過去の判例などを基にした適切な賠償金の請求が可能です。
裁判基準により、自賠責基準と比較して賠償金の金額が2倍以上にアップすることも珍しくありません。

・やり取りの手間がなくなる

交通事故で被害に遭ったあと、手間がかかることのひとつが「相手方とのやり取り」です。
加害者本人と直接の話し合いではなく相手方の保険会社とのやり取りになるとはいえ、被害者にとっては初めてのことが多く、ストレスに感じる方も多いようです。
しかし、弁護士に依頼すればやり取りを代理してくれるので、この煩わしさから解放されます。

デメリットはある?

・保険料が通常より少し高くなる

特約は保険のオプションなので、その有無で保険料にはもちろん差があります。
しかし弁護士特約を付けたとしても、年間で1,000円程度アップするくらいです。
となると、万が一のときに備えて特約を付けておくほうが賢明だと言えますね。

・保険の等級は下がらない

よくある誤解の1つに、「弁護士特約を付けると保険の等級が下がってしまうのではないか?」というものがあります。
しかし、弁護士特約を使用するかどうかは等級に影響しませんし、自動車保険の金額が次回から増額になることもありませんので、等級が心配で特約を使わないというのは非常にもったいないです。
なお、弁護士特約を使用することによって等級に影響するかしないかは、保険約款の内容によって異なる場合がありますので、ご利用になる際にはご加入の保険会社にご確認ください。

弁護士特約の気になるポイント

弁護士特約_気になる_ポイント

その他のよくある質問にお答えします。

むち打ちのような軽い人身事故や、物損事故でも使えるの?

軽度の人身事故や物損の事故でも、もちろん使うことができます。
特にこのような軽度の事故は、限度額内で収まるケースがほとんどですので、利用しない手はありません。
ただし、軽度の事故だと受け付けてくれない弁護士もいるため、注意してください。

着手金や成功報酬も補償の対象になる?

相談料だけでなく、着手金や報酬金に至るまで弁護士特約でカバーできます。
必ずしも訴訟に発展しないと使えないというわけではなく、示談や調停のためにかかった費用も対象となります。
なお、弁護士に限らず司法書士や行政書士にアドバイスを求めたりする際も、補償対象であることの方が多いです。

家族や同乗者は含まれるの?

多くの弁護士特約では、被保険者やその家族だけでなく、事故に遭った車両に同乗していた人であれば家族でなくても対象です。
さらに限度額も被害者1名ごとに設定されているので、安心です。
ただし、保険会社によっては適用範囲が異なる場合がありますので、ご利用になる際にはご加入の保険会社にご確認ください。

事故後に加入しても使える?

事故が発生した時点で弁護士特約に加入している必要があります。

事故以外の日常事故などでも使える?

あくまで自動車保険のオプションであるため、基本的には自動車事故が適用対象となります。
ただし、一部の保険には、「日常生活における事故」を対象とした特約が設けられていることもあります。
例えば、歩行中に走ってきた人と衝突してケガをしたときなどが想定されます。

どんなときでも使えるとは限らない

交通事故だからといって、全ての案件で特約が使えるわけではありません。

弁護士特約が使えるケース

弁護士特約の補償は、必ずしも保険を契約した車両を運転していたときのみと限定されることはありません。
例えば友人の車に同乗していたときや、歩行中や自転車運転中に自動車と接触したときなど、さまざまな交通事故に対応しています。
自分の契約した保険に特約が付帯していなくても、家族の契約している保険についていれば使えることもあります。
ただし、保険会社によっては適用範囲が異なる場合がありますので、ご利用になる際にはご加入の保険会社にご確認ください。

弁護士特約が使えないケース

一方で、特約が使えない場合もあります。
代表的な例をご紹介します。

  • ・ 被保険者の故意や重大な過失が原因で起きた事故
  • ・ 無免許運転や酒気帯び運転などの違法行為が原因の事故
  • ・ 自殺行為および犯罪行為によって生じた事故
  • ・ 台風や洪水など、自然災害が原因で発生した事故
  • ・ 被保険者の父母や配偶者など、家族に対して損害賠償請求をするとき

このように、弁護士特約が使えないケースも存在しますが、特約が使えるのであれば弁護士費用を心配する必要はなくなりますので、交通事故に遭ったときにも安心して弁護士に依頼できますね。
気になる方は、ぜひ一度ご自身の自動車保険の契約内容を確認してみてください。

交通事故被害のご相談はAuthense法律事務所

交通事故被害による後遺障害等級認定、示談交渉・裁判、損害賠償請求(慰謝料請求)などのご相談をお受けしています。
ご相談者の痛みやお気持ちをお相手にしっかりとお伝えできるよう、法的観点から冷静に分析し、最良の解決に導くための弁護方針をご提案いたします。お気軽にご相談ください。

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保険会社から提示された損害賠償金額が適正かどうか※1を無料で診断します。
※1 弁護士基準(裁判基準)での算定損害賠償

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交通事故の被害者に寄り添い、交通事故問題を積極的に解決してきた弁護士とパラリーガルが中心となり、後遺障害等級認定申請、初回請求認定率・異議申立て認定率を誇る提携パートナーとともに、後遺障害等級認定をサポートします。

法律相談は基本的に何度でも無料(お電話相談も承ります※2

交通事故被害に関するご相談は基本的に何度でも無料(お電話相談も承ります)。着手金0円。
※2 遠方の方、おケガをされている方を優先させていただきます。

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