コラム

2020.07.20

「自覚症状」の書き方や記載例など後遺障害診断書について解説します

「後遺障害診断書」とは、後遺障害等級認定を受けるために必要な重要な書類です。今回は、後遺障害診断書「自覚症状」の記載例など、後遺障害診断書について解説します。

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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、桐蔭法科大学院法務研究科修了。交通事故分野を数多く取り扱うほか、相続、不動産、離婚問題など幅広い分野にも積極的に取り組んでいる。ご依頼者様の心に寄り添い、お一人おひとりのご要望に応えるべく、日々最良のサービスを追求している。
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後遺障害とは

交通事故でケガをしたら、病院で治療を受けると思います。しかし、治療を続けても症状がよくならず後遺症が残ってしまうこともあります。
これは、専門用語で「後遺障害」と呼ばれます。

後遺障害等級

後遺障害には、「後遺障害等級」といって、症状ごとに等級があり、等級ごとに、後遺障害慰謝料が給付されます。

後遺障害診断書

後遺障害慰謝料を請求する際には、後遺障害等級認定を受ける必要があります。この、後遺障害等級認定の手続きに必要な書類が、「後遺障害診断書」です。
「後遺障害診断書」は、医師に作成してもらいます。整骨院の先生など医師以外は書くことはできませんので注意しましょう。

後遺障害診断書を作成するのは、いつ?

「後遺障害診断書」を作成してもらうタイミングは、症状固定の後になります。
「症状固定」とは、これ以上治療を続けても症状は治りきらず、将来にわたって事故による症状が残る状態のことです。

後遺障害慰謝料には期限がある?!

後遺障害慰謝料の請求期間は、症状固定から3年以内です。「3年もあるのなら、急がなくてもいんじゃない?」と思うかもしれませんが、手続きが長引くと1年近くかかることもあります。
「症状固定」と診断されたら、できるだけ早めに後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

後遺障害診断書の作成にかかる費用と期間

「後遺障害診断書」の作成にかかる費用の目安は、5000~10000円くらいです。病院によって異なりますので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

また、後遺障害診断書の作成をお願いしてから完成するまでの期間は、1~2週間くらいです。
時間に余裕をもって、お願いしておきましょう。

後遺障害診断書「自覚症状」の書き方と記載例

後遺障害診断書の書式には多くの項目がありますが、ここでは、注意して見るべき3つの項目「自覚症状」「他覚症状・検査結果・精神や神経の障害」「障害内容の増悪・緩解の見通し」について紹介します。

自覚症状

「痛みが続くと仕事に集中できないし、本当に困っている」など、あなたの主張を反映できます。
「自覚症状」に書かれていない症状は、後遺障害に認定されません。実際に書くのは、医師ですので、体のどこにどんな悪いところがあり、どんなふうに困っているのか、はっきりと伝えましょう。

(例)△「頭痛など。」→〇「頭痛、頚部痛、腰痛、右手のしびれが仕事に支障をきたす」

他覚症状・検査結果・精神や神経の障害

検査結果や、医学的根拠を示す欄です。しっかりと具体的に書かれているかチェックしましょう。

障害内容の増悪・緩解の見通し

後遺障害について、今後の見通しを書く欄です。「症状固定と考える」「緩解の見込みなし」など、今後治ることはなさそうだ、という内容が書かれているか確認しましょう。

後遺障害診断書は「治らない障害が残ってしまった」ということを証明するためにあります。これから良くなると思われる内容だと意味がありません。「緩解(症状が落ち着いてきている)」などの言葉があれば要注意です。

(例) ×「回復」「緩解の見込み」→〇「症状固定と考える」「緩解の見込みなし」

後遺障害診断書を書いてもらう前に

後遺障害診断書 自覚症状 注意点

後遺障害診断書を書いてもらう前に、6つの注意点をご紹介します。

  • ・ 自覚症状を医師に正確に伝える
  • ・ 後遺障害診断書の記載内容を医師の判断に一任しすぎない
  • ・ 記入漏れの確認をする
  • ・ 後遺障害診断書の作成経験がある医師に依頼する
  • ・ 医師が書いてくれない場合がある
  • ・ 後遺障害等級認定に必要な検査を受けておく

自覚症状を医師に正確に伝える

自覚症状の欄に書かれていない症状は、後遺障害として認定されません。
体のどこにどんな悪いところがあり、どんなふうに困っているのか、はっきりと伝えましょう。

後遺障害診断書の記載内容を医師の判断に一任しすぎない

後遺障害診断書を医師に書いてもらうときには、医師が症状を正しく理解して書いているか確認することが大切です。

記入漏れの確認をする

後遺障害診断書のすべての項目が記入されているか確認しましょう。

後遺障害等級の認定は、書類にもとづいて行われます。記入漏れがある診断書を出すと、障害が認められない可能性があります。

後遺障害診断書の作成経験がある医師に依頼する

後遺障害診断書は、医師によっては、自分の症状が伝わるように書いてもらえなかったり、そもそも断られてしまったりすることもあるようです。
可能であれば、後遺障害診断書の作成経験がある医師に書いてもらいましょう。

医師が書いてくれない場合がある

医師は、病気やケガの治療のプロですが、保険書類を書くのに慣れているとは限りません。
後遺障害診断書の作成経験がなく書き方を知らないと、書きたがらないことがあります。

本来は、医師は診断書を書く義務があります。理由もなく断られるようなら、粘り強く説得するか、あるいは転院して新しい医師に書いてもらうなどして対処します。
自分で対処するのが難しいと感じたら、弁護士に相談するのも選択肢の一つです。

後遺障害等級認定に必要な検査を受けておく

後遺障害等級認定を受けるには、必要な検査があります。

例えばMRIやレントゲンでの画像診断などです。検査結果は、障害があることを客観的に示してくれる証拠になります。
後遺障害診断書にも検査結果を書く欄があるので、忘れずに受けておきましょう。

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