コラム

2020.06.01

交通事故で行政書士に依頼するのはあり?メリット・デメリットを解説

交通事故の問題で困った時、頼りになるのは弁護士ですよね。
それでは行政書士はどうでしょうか。
「行政書士」という職業について、名前は知っていても実際どんなことをしてくれるのかを詳しく知っている人は少ないでしょう。
今回の記事では、交通事故の被害に遭った場合に、行政書士がしてくれる事をご紹介します。
さらに項目ごとに弁護士と比較し、どちらに依頼した方が良いのかという疑問にお答えする内容になっています。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部政治学科卒業、桐蔭法科大学院法務研究科修了。交通事故分野を数多く取り扱うほか、相続、不動産、離婚問題など幅広い分野にも積極的に取り組んでいる。ご依頼者様の心に寄り添い、お一人おひとりのご要望に応えるべく、日々最良のサービスを追求している。
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交通事故における行政書士のメリット

そもそも「行政書士」とは、市役所や県などに提出する書類の作成や提出などを代行する職業を指します。
以前は「代書屋」とも呼ばれており、あくまでも書類作成の援助をするのが主な役割です。
それでは交通事故の案件における、行政書士のメリットはどんなものがあるのでしょうか。

交通事故の事案を多く扱っている行政書士が多い

相談業務を行っている行政書士が多く、中には交通事故の事案に関して専門的に扱っている行政書士もいます。
行政書士の事務所ホームページを検索してみて、交通事故の相談を受け付けるなど書いてあれば実績があるということです。

後遺障害認定の知識が豊富

事故の被害に遭い、治療を続けたものの症状が改善せず障害が残ってしまう状態があります。
その状態を後遺障害といい、賠償金額を決めるには、後遺障害等級認定の申請を行って、その障害の程度を示す必要があります。
行政書士は、その後遺障害等級認定の申立てを行う場合の書類作成について相談に乗ってくれ、代行してくれます。
適切な等級認定を得るためには、数々の資料を集めて客観的に証明する必要があります。
しかしこういった作業は素人にはなかなか難しく、行政書士がサポートしてくれれば心強いでしょう。

行政機関とのやり取りがスムーズ

行政書士は普段から役所などの行政機関に赴き、書類の提出や申請を行っているため、手続き自体がスムーズに運びます。
以上のように、交通事故の事案を行政書士に依頼するメリットは確かにあります。
もっとも、行政書士は示談交渉や裁判などの紛争解決を目的とする業務を行うことはできないため、弁護士に依頼した場合との違いが生じます。

交通事故における弁護士と行政書士の違い

ではどんな違いがあるのか弁護士と比較してご紹介します。

交通事故に対する知識

弁護士は数ある資格の中でも、最も専門的知識を有する資格です。
弁護士も行政書士も国家資格には違いありませんが、司法試験の内容は幅広く難易度も高いためその分、知識量も多いです。
特に交通事故の問題に関しては、過去の裁判事例などを参考にするケースも多く、そういった場合は弁護士に勝るものは無いと言えます。

代理で示談交渉できるかどうか

そもそも紛争性がある法律事務の、依頼人の代理として行う権限が行政書士には付与されていません。
それは弁護士法により、紛争性がある法律事務を行うことができるのは弁護士のみと定められているからです。
つまり、行政書士にできる範囲は弁護士と比較して圧倒的に狭いのです。

裁判への参加

示談交渉と同様に、裁判に参加できるのももちろん弁護士のみです。
示談交渉がうまくいかずに、訴訟まで発展した際は弁護士の専門性が生かされるシーンです。

行政書士の実務範囲には制限がある

以下の表のとおり、弁護士と行政書士では実務範囲の違いが明確です。
弁護士は法律に関するエキスパートと言えますが、行政書士については限定的です。

できること 弁護士 行政書士
自賠責への請求
自賠責への異議申立て
示談交渉 ×
調停 ×
裁判 ×

後遺障害の認定サポートにおける弁護士と行政書士の違い

後遺障害_認定サポート

それではもう少し掘り下げて比較していきます。
まずは後遺障害認定についてです。

行政書士に後遺障害認定サポートを依頼

冒頭でも紹介したように、確かに行政書士の中には後遺障害認定に強い人もいます。
資料の収集や申請を援助してくれれば心強いでしょう。
しかし、後遺障害等級が認定された後に待っているのは示談交渉や、時には裁判の手続きです。
ここまで発展すると、もはや行政書士にできることはありません。
また後遺障害等級認定手続きを自身でできない人に、示談交渉や訴訟手続きを1人で行うことはもちろん難しいでしょう。
つまりは、弁護士に助けを求めるのが近道だと言えます。

弁護士に後遺障害認定サポートを依頼

弁護士なら最初の相談から実際の手続きや交渉まで、最初から最後まで全てを任せられます。
特に交通事故を得意としている法律事務所や弁護士であれば、実績も豊富できっと依頼人にとって望ましい結果にしてくれるはずです。

被害者請求に関する行政書士と弁護士の対応

「被害者請求」とは被害者から、加害者側の自賠責保険の会社に、直接請求することです。
被害者請求をするためには必要書類が多く、手続きは面倒です。
しかし被害者のペースで損害賠償金を受け取ることができるのは大きなメリットと言われています。

被害者請求サポートは弁護士に依頼するべき

被害者請求を行うには非常に多くの書類を集めなければなりません。
会社や医療機関など、様々なところに問い合わせて用意する必要があるため、時間と手間がかかります。

行政書士に依頼すれば、後遺障害認定と同じように必要な書類作成などのサポートをしてくれます。
しかし被害者請求はその後の対応によっては、示談交渉が長期化してしまったり、訴訟に発展するケースも少なくはありません。
そういったケースの場合、行政書士は被害者の代理を行うことはできませんので、弁護士の出番です。
また被害者請求には3年以内という期限(時効)があります。
そういった意味でも、最初から弁護士に依頼しておけば二度手間になることなくスムーズに手続きが進みます。

弁護士と行政書士の費用の違い

費用面からも2つの職種による違いがあります。

行政書士の報酬費用

行政書士の費用は比較的、弁護士費用より安いことが多いです。

弁護士の報酬費用

最近の弁護士事務所は成功報酬制度を採用している所が増えています。
成功報酬制度とは、事件が解決し依頼人にプラスの利益が生じた際に初めて報酬を支払うシステムです。
成功報酬制度を採用している場合、相談料や着手金が無料であることが多いです。

例えば、こういった費用体系を取っている場合があります。

  • ・相談料および着手金・・・なし
  • ・成功報酬・・・20万円+回収金額の10%~20%程度

事件が解決した時に初めてお金を支払えばいいので、予算に余裕がない時は大きなメリットがあると言えます。
相談料がかからなければ、安心して相談できるのも嬉しいポイントではないでしょうか。
ただし成功報酬制を採用している所でも、裁判にまで発展した場合には着手金や実費を別途設定していることもあるためよく確認しましょう。

事件が解決すれば弁護士報酬も比例しますが、そもそも得られる賠償額が増加するので、弁護士費用の上昇分は上回ります。
しかし行政書士に依頼しても、賠償額のアップはあまり見込めません。
結果的に、行政書士の報酬費用は高くつく場合があるのです。

弁護士は交渉や紛争がある場合に心強い

弁護士は行政書士と違い、交渉や紛争処理を強みとしています。
常に次に起こりうるトラブルや展開を予測しながら動いてくれるため、圧倒的に満足の行く解決へと近づきます。

行政書士も力になってくれるが、非弁行為になる場合もある

もちろん行政書士も力になってくれますが、交通事故の問題に限って言うとやはり事務範囲が限定されるのがデメリットです。
示談交渉や被害者請求は弁護士のみであり、もしも同行為を行政書士がした場合は非弁行為という違法行為になってしまいます。

まとめ

交通事故の被害に遭い、問題を抱えている時に頼れる第三者には弁護士と行政書士がいます。
しかし行政書士の実務範囲は書類作成や相談業務など、実務範囲が狭く、報酬費用も割高になりがちです。
その点、弁護士に依頼すれば賠償額のアップも期待でき、示談交渉や訴訟など最初から最後まで全てを安心して任せることができます。
交通事故でお困りの方は、お気軽にAuthense法律事務所へご連絡ください。
丁寧にお話を聞き、依頼者のお力になります。

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交通事故被害による後遺障害等級認定、示談交渉・裁判、損害賠償請求(慰謝料請求)などのご相談をお受けしています。
ご相談者の痛みやお気持ちをお相手にしっかりとお伝えできるよう、法的観点から冷静に分析し、最良の解決に導くための弁護方針をご提案いたします。お気軽にご相談ください。

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交通事故被害に関するご相談は基本的に何度でも無料(お電話相談も承ります)。着手金0円。
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